第1 請求
被告は,原告に対し,金285万8949円及びこれに対する平成17年11月15日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。第2 事案の概要
1 本件は,被告から300万円の貸付けを受けた原告が,被告に対し,利息制限法及び約定遅延損害金利率(遅延損害金の約定利率は利息制限法の範囲内)に沿って弁済を充当計算した結果生じた過払い金の返還を求めている事案である。2 これに対し,被告は,原告から支払のために交付されていた別紙手形目録記載の約束手形2通を取り立てて合計310万円の弁済を受けたことは認めるものの,それ以外に弁済は受けていないと反論している。
第3 当事者の主張
1 請求原因
(1) 本件消費貸借契約の締結ア被告は,平成17年7月5日,原告に対し,弁済期を平成17年8月3日,遅延損害金を日歩3銭(年10.95パーセント)と定めて,300万円を貸し付けた(以下,この消費貸借契約を「本件消費貸借契約」という。)。
イ被告は,本件消費貸借契約を締結する際,弁済期までの利息(一部)として20万円を天引きした。
(2) 約束手形の取立て
ア原告は,平成17年7月5日,被告に対し,本件消費貸借契約に基づく債務を担保するため,別紙手形目録記載の約束手形2通を交付した。
イ被告は,同目録1記載の約束手形を取り立て,平成17年9月30日,200万円の支払を受けた。
ウ甲府地方裁判所は,本件訴えが提起された後である平成17年10月21日,同目録2記載の手形について,手形金の取立て等を禁ずる旨の仮処分を発令し,この決定は,同月23日,被告に送達された。
エしかしながら,被告は,同目録2記載の約束手形を取り立て,平成17年10月31日,110万円の支払を受けた。
(3) 現金による弁済
原告は,被告に対し,本件消費貸借契約に基づく債務につき,次のとおり弁済した。
ア平成17年8月4日18万円
イ平成17年8月5日9万円
ウ平成17年8月8日9万円
エ平成17年8月10日45万円
オ平成17年8月26日180万円
(4) 充当計算
上記(1)イの天引利息並びに上記(2)及び(3)の各弁済を利息制限法及び約定遅延損害金利率に沿って充当計算すると,別紙計算書1のとおり,平成17年10月31日現在において,285万8949円の過払いとなる。
(5) まとめ
よって,原告は,被告に対し,不当利得による利得金返還請求権に基づき,過払い金285万8949円及びこれに対する訴えの変更申立書の送達の日の翌日である平成17年11月15日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める。
2 請求原因に対する認否
(1) 請求原因(1)アの事実は認める。同イの事実は否認する。(2)ア請求原因(2)の事実は認める。
イただし,被告は,仮処分決定を無視したのではなく,約束手形の取立委任を解除しなくとも,仮処分決定によって当然に約束手形は取り立てられないと考えていた。
(3)ア請求原因(3)の事実は否認する。
イ原告は,被告による再三の督促にもかかわらず,本件消費貸借契約による債務につき,全く弁済しなかった。
被告は,本件消費貸借契約による債務につき,別紙手形目録記載の各約束手形を取り立てて回収した310万円以外に,全く弁済を受けていない。
(4) 請求原因(4)の主張は争う。
第4 当裁判所の判断
1 請求原因(1)(本件消費貸借契約の締結)について
(1) 請求原因(1)アの事実は当事者間に争いがなく,証拠(甲7,原告本人)及び弁論の全趣旨によると,同イの事実,すなわち,被告が,本件消費貸借契約の締結に際し,弁済期までの利息(一部)として20万円を天引きした事実を認めることができる。
(2) この点,被告は,その本人尋問において,利息は天引きしていないなどと供述し,その陳述書である乙1号証にも同旨の記載があるが,この供述及び陳述書の記載は,にわかに信用することができない(その理由は,下記4において詳述するとおりである。)。
2 請求原因(2)(約束手形の取立て)について
請求原因(2)の事実は当事者間に争いがない。過払い金を取り戻すお手伝い「過払い金ドットコム」
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3 請求原因(3)(現金による弁済)について
証拠(甲3,4,7ないし10,11の1ないし3,甲12,原告本人)及び弁論の全趣旨によると,請求原因(3)の事実,すなわち,原告が,被告に対し,本件消費貸借契約による債務の弁済として,次のとおり合計261万円を支払った事実を認めることができる。(1) 平成17年8月4日18万円
(2) 平成17年8月5日9万円
(3) 平成17年8月8日9万円
(4) 平成17年8月10日45万円
(5) 平成17年8月26日180万円
4 被告の供述等の信用性について
(1) 被告は,その本人尋問において,「利息は天引きしていない。本件約束手形によって弁済を受けた以外に,原告から弁済を受けていない。」などと上記1,3の認定に反する旨の供述をし,その陳述書である乙1号証にも同旨の記載がある。(2) そこで,被告の上記供述等の信用性について検討するに,証拠(甲8(原告と被告の会話を録音した記録の反訳書写し),原告本人,被告本人(一部))及び弁論の全趣旨によると,@ 原告,原告の妻,被告及びその他数名が,平成17年8月30日,本件消費貸借契約に基づく債務の弁済について話合いを持ったこと,A 被告は,その冒頭で,原告から,その時点における弁済額である261万円の弁済(請求原因(3)の弁済)について言及されたこと,B 261万円の弁済について言及された被告は,当初,単に,「おれは元金はもらってないよ。」(甲8の1頁12行目),「おれは元金はもらってないよ。元金はもらってません。」(同14行目),「元金は一つももらっていない。だから,金は元金というものは一つももらっていない。」(同2頁9行目)と反論するのみであったにもかかわらず,原告らから更に詰問されると,次第に興奮し,「おたくがそこまで言うんならば,おれは一切もらっていない。」(同3頁12行目),「返してあるんだったら証拠を見せなさい。どこに幾らおれがもらったの。それを見せればいいじゃん。」(同30行目),「払ったって言うんだったらその証拠を見せなさい。今からね,ああだこうだ揉めるときにはそういうものを出さなきゃいけないんだから。」(同5頁29行目),(原告の妻から弁済の証拠として電話の着信履歴について言及され)「そんな話どこに出しても屁にもならないの。それが法律でしょ。」(同7頁18行目)と述べるに至ったことを認めることができる。
被告は,その本人尋問において,この時点においては,再三の督促にもかかわらず,原告から全く弁済を受けていなかったと供述するが,このときの被告の上記態度は,本当に全く弁済を受けていない者の態度と理解するのは困難である。
すなわち,本当に,被告が,上記話合いの時点において,全く弁済を受けていなかったのならば,原告から突然261万円も弁済したと言い寄られれば,被告は,即座にそれを否定したり,真意を問いただしたり,驚いたり,立腹したりするのが通常の反応であると考えられるが,被告の上記態度は,そのような反応とはほど遠いといわざるを得ない。
むしろ,被告の上記態度は,弁済について領収書等がないことを奇貨として,単に白を切っている態度と解するのが自然である。
この話合いにおける被告の上記態度などにかんがみると,被告の上記供述及び陳述書の記載は,利息を天引きしていないという点についても,弁済を受けていないという点についても全く信用することができないといわざるを得ない。
(3) また,被告が上記話合いの中で言及しているように,請求原因(3)の261万円の弁済については,領収書等の証拠が存在しないが,正規の貸金業者でない者による高利の貸付けにおいては,取引当事者の力関係などから,しばしば領収書等が発行されないことがあることは当裁判所に顕著である。
したがって,261万円の弁済につき領収書等が存在しないことのみをもって,上記3の認定を覆すことはできない。
他に,上記3の認定を覆すに足りる証拠はない。
5 請求原因(4)(充当計算)について
(1) 上記1ないし3の事実を前提とすると,本件消費貸借契約における原告の弁済等を利息制限法及び約定遅延損害金利率(日歩3銭(年10.95パーセント))に沿って充当計算すると,別紙計算書2のとおり,平成17年10月31日の時点において,285万7779円の過払いとなる。(2) なお,原告は,20万円の天引利息の計算に際し,平成17年7月5日から同年8月3日までの29日間で計算しているが(別紙計算書1参照),消費賃借における利息は,元本利用の対価であり,借主は元本を受け取った日からこれを利用しうるのであるから,特約のないかぎり,消費賃借成立の日から利息を支払うべき義務があるものというべきである(最高裁昭和33年6月6日判決・民集12巻9号1373頁参照)。そうすると,本件消費貸借契約の締結日である平成17年7月5日から弁済期である同年8月3日までの利息制限法に沿った利息は,30日間で計算すべきであり(30日間の利息は,3万4520円となる。),本件消費貸借契約における平成17年8月4日到来時の残元本は,別紙計算書2のとおり,283万4520円(=300万円−(20万円−3万4520円))となる。
6 結論
以上によると,原告の請求は,被告に対し,不当利得による利得金返還請求権に基づき,過払い金285万7779円及びこれに対する訴え変更の申立書送達の日の翌日である平成17年11月15日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるから,この限度で認容し,その余の請求は理由がないから棄却すべきである。銀行取引停止処分
会社の設立自体が被告Y1の原告らに対する責任を基礎付けるものでないことは,前記(ウ)のとおりである。
また,U社が外国為替証拠金取引を行い得る立場になかった点を調査すべきとする点についても,そもそもその前提に誤りがあることは,前記(ア)のとおりである。
そして,被告らは,U社がどのような会社か,台湾のリサーチ会社に調査を依頼し,最低限度手形不渡り等による銀行取引停止処分を受けたことがないことや業績が不振でないことを調査し,現地の会社の状況を見分して取引を開始した。
また,U社の取引がされているのか否か疑問が生じた際には,通常では,外国為替証拠金取引についてその取引履歴を公表しないとされている銀行に交渉して,同社が銀行において外国為替証拠金取引を行っている取引履歴の明細書を取得し,同社が外国為替取引を行っていることを確認しているのである。
さらに,フォレックス社の普及員は,原告ら顧客に対し,外国為替証拠金取引について,必ずもうかると称して勧誘行為を行っておらず,被告らは,そのような勧誘について普及員に対し指導したこともない。逆に,違法な勧誘行為をしないよう厳しく指導していた。
フォレックス社の普及員は,外国為替証拠金取引が投機性の強い,高度な知識を要する経済活動でリスクを伴う危険性の高い行為であることを原告ら顧客に説明した上で,U社に対する預託金の出金に応じてもらっていた。
以上のとおり,被告Y1について,業務執行上の任務懈怠はないし,悪意,重過失もない。
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