改正法附則5条1項の規定がなおそのまま効力 を有するという見解に立ったとしても,以下のとおり,平成3年法と平成 12年法を重畳的に併せた規定を適用するという控訴人の主張は,採り得 ないものである。
(ア) まず,控訴人の主張のように解するのは,文理上困難である。
「なお従前の例による」という文言の一般的な用いられ方は上記(2) のとおりであって,経過措置を規定しようとする事項についての法律制 度が新法令又は改正後の法令の規定の施行直前の状態で凍結されたもの として適用されるものであるから,その凍結された状態を変更し,規範 内容を控訴人主張のようなものにしようとする場合には,なお従前の例 によると規定した当該条項の改正(この場合,一定の場合を除き,なお 従前の例によるとしたり,なお従前の例によるとする本文の後にただし 書を付加する等の改正をした立法例がある。
)が必要である。
本件では, そのような改正がされていないのである。
(イ) 平成12年一部改正法は,法15条の2第1項2号を改正し,産業 廃棄物処理施設の設置許可の基準として,平成9年一部改正法が新設し た産業廃棄物処理施設の設置及び維持管理に関する計画が当該産業廃棄 物処理施設に係る周辺地域の生活環境の保全について適正な配慮がされ たものであることに加え,新たに,それらの計画が厚生省令で定める周 辺の施設について適正な配慮がされたものであることも必要であるとし た。
控訴人の主張のように解すると,平成3年法15条1項の規定により された申請の許可の基準としては,産業廃棄物処理施設に係る周辺地域 の生活環境の保全については適正な配慮をする必要がないが,周辺の施 設については適正な配慮をする必要があるという誠に奇妙な規範が生ず ることになる。
このような不当な結果を避けるために,平成12年一部 改正法は,周辺地域の生活環境保全についての適正な配慮については平 成9年法を実質的に改正するものではないとして,平成12年法15条 の2第1項2号が全面的に適用されないと解するのは,平成12年一部 改正法附則4条に明白に反する恣意的な解釈であるといわざるを得ない。
(ウ) また,控訴人主張のように解すると,平成3年法と平成12年法が 重畳的に適用されてされた許可がはたして平成9年一部改正法附則5条 1項の規定によりなお従前の例によりされた許可といえるかどうか疑義 が生ずることになり,そうすると,同条2項から4項までの適用がある のかないのかが不明確になり,この点についても妥当を欠くというべき である。
(エ) さらに,控訴人主張のようになお従前の例による場合に例外を設け ることとするときは,政省令等の下位法令についてまで考えると,平成 3年法15条等の改正規定の施行期日(平成10年6月17日)以後に 改正された政省令等が平成12年一部改正法の施行に伴って更に改正さ れたような場合には,解釈の枠を超える矛盾が生じかねない。
( ) 以上によれば,平成3年法7 15条1項の規定によりされた許可の申請で あって,平成12年一部改正法の施行の際許可又は不許可の処分がされてい ないものについての許可又は不許可の処分について適用される法律は,平成 3年法ではなく,平成12年法(15条の2第2項を除く。
)であるという べきである。
3 被控訴人らの原告適格について ( ) 行政事件訴訟法9条は,取1 消訴訟の原告適格について規定するが,同条 1項にいう当該処分の取消しを求めるにつき「法律上の利益を有する者」と は,当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され, 又は必然的に侵害されるおそれのある者をいうのであり,当該処分を定めた 行政法規が,不特定多数者の具体的利益を専ら一般的公益の中に吸収解消さ せるにとどめず,それが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護す べきものとする趣旨を含むと解される場合には,このような利益もここにい う法律上保護された利益に当たり,当該処分によりこれを侵害され又は必然 的に侵害されるおそれのある者は,当該処分の取消訴訟における原告適格を 有するものというべきである。
そして,処分の相手方以外の者について上記 の法律上保護された利益の有無を判断するに当たっては,当該処分の根拠と なる法令の規定の文言のみによることなく,当該法令の趣旨及び目的並びに 当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮し,この場合に おいて,当該法令の趣旨及び目的を考慮するに当たっては,当該法令と目的 を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌し,当該利益 の内容及び性質を考慮するに当たっては,当該処分がその根拠となる法令に 違反してされた場合に害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが 害される態様及び程度をも勘案すべきものである(同条2項参照)(以上に つき,最高裁平成17年12月7日大法廷判決・民集59巻10号2645 頁参照)。
(2) 上記(1)の見地に立って,被控訴人らが本件許可処分の取消しを求める原 告適格を有するか否かについて検討する。
銀行取引停止処分
会社の設立自体が被告Y1の原告らに対する責任を基礎付けるものでないことは,前記(ウ)のとおりである。
また,U社が外国為替証拠金取引を行い得る立場になかった点を調査すべきとする点についても,そもそもその前提に誤りがあることは,前記(ア)のとおりである。
そして,被告らは,U社がどのような会社か,台湾のリサーチ会社に調査を依頼し,最低限度手形不渡り等による銀行取引停止処分を受けたことがないことや業績が不振でないことを調査し,現地の会社の状況を見分して取引を開始した。
また,U社の取引がされているのか否か疑問が生じた際には,通常では,外国為替証拠金取引についてその取引履歴を公表しないとされている銀行に交渉して,同社が銀行において外国為替証拠金取引を行っている取引履歴の明細書を取得し,同社が外国為替取引を行っていることを確認しているのである。
さらに,フォレックス社の普及員は,原告ら顧客に対し,外国為替証拠金取引について,必ずもうかると称して勧誘行為を行っておらず,被告らは,そのような勧誘について普及員に対し指導したこともない。逆に,違法な勧誘行為をしないよう厳しく指導していた。
フォレックス社の普及員は,外国為替証拠金取引が投機性の強い,高度な知識を要する経済活動でリスクを伴う危険性の高い行為であることを原告ら顧客に説明した上で,U社に対する預託金の出金に応じてもらっていた。
以上のとおり,被告Y1について,業務執行上の任務懈怠はないし,悪意,重過失もない。
ア平成12年法は,廃棄物の排出を抑制し,及び廃棄物の適正な分別,保 管,収集,運搬,再生,処分等の処理をし,並びに生活環境を清潔にする ことにより,生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを目的として いる(1条。
そして,平成) 12年法は,?産業廃棄物処理施設の設置に ついては,都道府県知事の許可を受けることを要することとし(15条1 項),?その産業廃棄物処理施設の設置に関する計画及び維持管理に関す る計画が当該産業廃棄物処理施設に係る周辺地域の生活環境の保全及び環 境省令(本件許可処分時)で定める周辺の施設について適正な配慮がされ たものであることをその許可の基準とし(15条の2第1項2号),?申 請書に当該産業廃棄物処理施設を設置することが周辺地域の生活環境に及 ぼす影響についての調査の結果を記載した書類を添付しなければならず (15条3項),?都道府県知事は,政令で定める産業廃棄物処理施設 (本件処分場は,廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令7条の2,7 条14号により,これに該当する。
)について当該許可の申請があった場 合には,平成12年法15条2項1号から4号までに掲げる事項,申請年 月日及び縦覧場所を告示するとともに,同項の申請書及び同条3項の書類 を公衆の縦覧に供しなければならず(15条4項),更に当該告示をした 旨を当該産業廃棄物処理施設の設置に関し生活環境の保全上関係がある市 町村の長に通知し,当該市町村長の生活環境の保全上の見地からの意見を 聴かなければならず(15条5項),?当該産業廃棄物処理施設の設置に 関し利害関係を有する者は,都道府県知事に生活環境の保全上の見地から の意見書を提出することができ(15条6項),?都道府県知事は,当該 許可をする場合には,あらかじめ平成12年法15条の2第1項2号に掲 げる事項について専門的知識を有する者の意見を聴かなければならず(1 5条の2第3項),当該許可には,生活環境の保全上必要な条件を付する ことができる(15条の2第4項)と定めている。
これらによれば,産業廃棄物処理施設の設置の許可に関する平成12年 法の規定は,本件処分場のような産業廃棄物処理施設の設置によって,当 該産業廃棄物処理施設の周辺地域に居住する住民に健康又は生活環境の被 害が発生することを防止し,良好な生活環境を保全することも,その趣旨 及び目的とするものであると解される。
イ産業廃棄物処理施設の設置の許可申請に対して,平成12年法又はその 関連法令に違反した違法な許可がされた場合には,当該産業廃棄物処理施 設の設置場所と一定の地理的関係にある周辺地域に居住する者は,当該産 業廃棄物処理施設からの人体に有害な汚染物質の継続した排出により,生 命又は身体に対する重大な危害を含め,その健康又は生活環境に係る著し い被害を被ることにもなりかねないものである。
上記の平成12年法の趣 旨及び目的にかんがみれば,産業廃棄物処理施設の設置許可に関する平成 12年法は,当該産業廃棄物処理施設の周辺地域に居住する住民に対し, 違法な産業廃棄物処理施設の設置に起因する人体に有害な物質の排出によ ってその健康又は生活環境に係る著しい被害を受けないという具体的利益 を保護しようとするものであると解されるところ,その被害の内容,性質, 程度等に照らせば,この具体的利益は,一般的公益の中に吸収解消させる ことが困難なものであるといわざるを得ない。
ウしたがって,本件処分場の周辺に居住する住民のうち本件処分場が設置 されることにより人体に有害な物質の排出による健康又は生活環境に係る 著しい被害を直接的に受けるおそれのある者は,本件処分場の設置許可の 取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者として,その取消訴訟にお ける原告適格を有するというべきである。
〔60〕【特許第●●号(特許発明60,出願日平成6年7月18日)】 a 特許発明60の構成 特許請求の範囲請求項1の記載に従って分説すると,以下のとおり である。
●●(省略) b 実施の有無 ●●(省略) c 発明者及び無効事由 (a) 一審原告X 2,一審被告社員v は発明者か 一審原告X 2,一審被告社員v が特許発明60の発明者である ことを認めるに足りる証拠はない。
(b) 無効事由の有無 前記特許発明33のとおり,甲302(キングジム社のテプラ プロSR404の取扱説明書)は,特許発明60に係る特許出願 (平成6年7月18日)前に頒布されたものと認められる。
甲302の161頁〜164頁には,特許発明60の構成?〜 ?,?のほか,複数のラベル名が順々にディスプレイに表示され, ラベル名を選ぶと,そのラベル名に付随する複数の入力指示メッ セージ(絵文字入力,文字入力の表示)が表示されること,また, 文字入力の表示に付随するテキストデータ入力欄が表示され,一 部のテキストデータと関連付けて印字する為に予め設定し記憶手 段に格納されている特定の文字や記号の設定印字情報(「DAT E」,「TIME」,「ねん」,「くみ」など)も表示されること,そ れらは順々にディスプレイに表示されること,入力されたテキス トデータを所定の書式で印字することができることが記載されて いると認められるから,特許発明60の構成?〜?を備えている ものと認められる。
したがって,甲302には特許発明60の構成がすべて記載さ れているから,特許発明60には無効事由があると認められる。
(イ) 一審被告主張の特許ポートフォリオ(テープカセット) 〔1〕【実用新案登録第●●号(考案1,出願日昭和63年10月14 日)】 a 考案1の構成 実用新案登録請求の範囲請求項1の記載に従って分説すると,以下 のとおりである。
●●(省略) b 実施の有無 ●●(省略) c 考案1が考案2の権利と重複して権利化されたものであるかどうか 後記考案2のとおり。
〔2〕【実用新案登録第●●号(考案2,出願日昭和63年10月14 日)】 a 考案の構成 考案1に係る実用新案登録出願(●●)から分割出願されたもので, その構成を実用新案登録請求の範囲請求項1の記載に従って分説する と,以下のとおりである。
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